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剣道、剣術、刀剣より派生した用語を集めてみました。
剣道をやりながら、国語力UP?か?

相槌を打つ    刀匠が刀を鍛えるとき、相手方(弟子)と交互に槌を打ちおろします。
           槌音高くという表現があるように、両者の打ちおろす槌の音は
           調子よく響きます。 人の話を聞きながら同意、同感のしるしにうなづく、
           人の話に調子を合わせる事を「相槌を打つ」といいます。

一刀両断     一刀のもとに、まっぷたつに斬ってしまうことから決断が早いこと。
           また、物事を思い切って素早く処理する意にも使われる。

裏切り       武士が背後から斬りつけることを言い、これが転じて敵に内通して主人
           や味方にそむくこと。約束、信義に反する行為をする。人の予期に反する
           ことなどに使います。

押っ取り刀    武士が刀を腰にさすひまがないほど火急の場合、手にしたまま現場へ
(おっとりがたな)  急ぐことをいいます。これが転じて、取るものも取りあえず急いでいる事の
           意に用いられます。

快刀乱麻     快刀とはすばらしく切れる刀のこと。難しい事件や問題をあざやかに
           解決することをいいます。

かえす刀     一方へ斬りつけた刀を手もとに引き戻すやいなやすかさずもう一方の相手へ
           斬り付けること。今では一つの攻撃の後、間髪いれず他方を攻撃する意。

駈け落ち     現在は男女が示し合わせて逃げる事の意に使われてますが、本来は
(駆け落ち)    武士が戦闘に負けて逃げることをいいました。

駈け引き     もともとは戦陣用語で、「駈け」は「出足」つまり「攻撃」をさし、「引き」は
           「引き足」つまり「後退」をさしました。この「出足」「引き足」を使い分けるのが
           「かけひき」の語源です。現在は商業用語や、ギャンブル用語としての
           意味合いが強いですね。

刀折れ、矢尽きる  戦場にて刀も矢も使えなくなった状態をさします。ここから現代では、
           最悪の状況をさした表現です。

兜の緒を締める  油断しないように気持ちを引き締めること

兜をぬぐ      戦に敗れる、負けを認めること

切れ者(きれもの)  手腕のある者をさす。

小手先       刀を振るとき、腰をいれずに小手から先だけででちょこちょこ打つこと。
           「器用」という意味がある一方、本腰が入ってないという意味合いもあります。

小手調べ      物事を本格的に始める前にちょっと試してみること。小手試し。「これくらいはほんの―だ」

小手試し      「小手調べ」と同じ

鞘当        武士が途中で行き会い、互いに刀の鞘が当たったことをとがめたてする
(さやあて)    ことです。歌舞伎で、「不破判左衛門」と「名古屋山三郎」が、遊女「葛城」
           を争ってわざと鞘当をしたことから、現在では一人の女をめぐって二人の
           男が争うことをいいます。

鎬(しのぎ)をけずる   はげしく戦うことをいいます。鎬とは刀剣の部分の名称で、
           刀の側面の盛り上がっている部分です。戦いの時には相手の刀と
           刀がぶつかりあい、鎬と鎬が接して火花を散らすこともあります。
           まるで鎬を削りあっていることからこの言葉が生まれました。

凌ぐ(しのぐ)   攻撃をしのぐ、雨をしのぐ。などに使われる「凌ぐ」という言葉も
           語源は、前述の刀の「鎬(しのぎ)」 からきているという説があります。

自腹を切る    自分が腹を切る事。これが転じて、必ずしも自分で支払うには及ばない
           経済的負担を、あえて自分で払ってすますことをいいます。

真打(しんうち)  御神刀を打つとき、あらかじめ何本か打ち、その中で一番出来がいいものを
           「真打」といい神さまに捧げました。現在では落語界をはじめその世界で
           一番格の上のひとをいいます。

真剣       ごまかしや遊びの気持ちが全くなく、全力をあげて何かをする様子。一生懸命。

真剣勝負     道場での剣術の試合は木刀、竹刀で行うのが普通です。真剣で行う試合と
           なれば、それぞれが命をかけてということになります。転じて本気になって
           やる勝負のことをいうようになりました。

助太刀      仇討ちにつきものの助太刀からきた用語で、現在でも人を助ける意味に
           使われます。

切羽つまる   刀の鍔(つば)の両面には、それぞれ柄(つか)と鞘(さや)に接する部分に
          薄い楕円形の金属がそえてあります。これを切羽(せっぱ)といいます。
          ここに何かの理由でつまったりすると刀が鞘から抜けなくなります。
          転じて、どうにも抜き差しならなくなる、土壇場で押し詰められる意になります。

反(そ)りがあわない  刀剣はゆるやかなカーブを描いています。このカーブを「反り」と
          いい、刀の反りと、鞘の反りがあっていないと刀は鞘におさまりません。
          ここから、現在では仲がしっくりしないことをいいます。

大上段      剣術の構えのひとつ。刀を頭上高くふりかぶり、敵を威圧する構え。
          転じて、相手をすっかりみくびった態度の意味にも使われます。

太刀打ち    武士の表芸である剣術の手合わせをいいます。これが転じて、実力で
          張り合うこと、またはまともに勝負することをいいます。

単刀直入    元来ただひとりで刀をとり敵陣のなかに斬り込むことをさします。
          転じて、余談や前置きなどを抜きにして、すぐさま問題点に触れ相手の急所
          をついて話を進めるという意味でつかいます。

丁々発止(ちょうちょうはっし) 刀などで激しく打ち合う音。
           お互いに譲らず激しく議論を戦わす意にも用いられる。
           打打発矢と書く場合もある。

付け焼刃(つけやきば)
  鈍刀(どんとうーきれない刀)にハガネの焼刃を付け足したニセ物
          製品のことです。そこから元来力の無い者が、その場をうまくごまかすために
          いかにも有るように見せかけたり、にわか仕込みの勉強で急場をしのごうと
          することをいいます。

鍔迫り合い(つばぜりあい)   試合者がお互いに刀を鍔で受け止めたまま押し合うことから
          転じて、まったく互角にはげしく勝敗をあらそうことをさします。

詰腹を切る   他から強制され、腹を切ること。転じて強制的に責任をとらされること。
(つめばら)     (一般的にはクビの意味が強い、「自腹を切る」とは語源は一緒でも
          意味がだいぶちがいますね。) 

伝家の宝刀   代々家宝として伝わっている名刀のことですが、現在では、とっておきの
          奥の手を出すという意味につかわれます。

生兵法(なまびょうほう)  「兵法」とは剣術のこと、「生」とは未熟、不十分の意味で、
          「生兵法」とは未熟な剣術使いをさします。これが転じて現在では、なまかじりの
          知識、技術のことに用いるようになりました。

二刀流      両刀使いを参照。

抜き打ち     「抜き打ち検査」「抜き打ちテスト」など、だしぬけに事を行う意味に使いますが、
          もともと刀を抜くやいなや斬り付けることをいいました。

抜き差しならぬ   刀を抜くのも差すのもままならない窮地をいい、どうにもならない、のっぴき
          ならないという意味です。

刃(歯)向かう 相手が押さえようという態度を持っている時に、逆に攻撃を仕掛ける。

懐刀(ふところがたな)  懐にいれて持ち歩く守り刀。転じて秘密の仕事などをおもに引き受ける
          ような腹心の部下のことをいうようになりました。

矛先(ほこさき)   矛の切っ先。非難・論議などの勢いや、その攻撃の目標をも指す。

丸腰       武士は刀を腰につけていました。丸腰とは刀をつけないこと、広く武器を
          所持していないことをいいます。

身から出た錆(さび)   刀身は手入れを怠ると錆が出てしまいます。つまり、やることを
          やらずに怠けていると、それなりに報いがくるという意味です。

矛盾       「矛」は昔の刀のこと。2つのものが論理的にあわないこと。
          中国の故事による。

もとの鞘におさまる   刀身がおさまるべきところにおさまる。このことから、仲たがいした
          夫婦などが元通りになることをいいます。

諸刃の剣     プラスの面をもつと同時に、反面 逆に悪用も出来るというマイナスの要素も
           もっている論法、など。

焼きを入れる   刀匠が刀の刃を焼いて鍛えるとこを「焼きを入れる」といいますが、火の
(焼きがまわる)  加減が重要で、この加減を誤まると刃がうまく焼きあがりません。
          これらが転じて、しゃんとさせること、また私刑、拷問を加えることを「焼きを
          入れる」  また衰えてにぶくなる、ぼけることを「焼きがまわる」と表現します

夜討ち朝駆け    夜中に敵陣に攻め込むのが「夜討ち」、朝早く不意をついて襲撃する
(ようちあさがけ)  のが「朝駆け」です。古来、戦には夜討ち朝駆けはつきもので、昔の
          戦争用語でした。 現在では夜遅い訪問、寝起きの早朝に訪ねるなど、
          不意をつくことに用います。(ある意味サラ金用語かも??)

両刀使い    「二刀流」とも同じ意味で表現される。 宮本武蔵の二刀流からきた言葉で
          二つのことを同時に出来るひとをいいます。
          また、甘辛、和洋、硬軟と、何事につけ相反する両者にまたがって堪能
          達者な人を表現するときにつかいます。